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骨密度が低い

骨粗鬆症を予防するためには、骨密度上昇期の思春期と、更年期以降の骨密度減少期の対策が重要です。

監修:健康科学情報センター所長
小林 晃大先生

1.骨に必要な栄養素をとる

【カルシウム】
骨粗鬆症を予防するには、十分なカルシウムを摂ることが大切ですが、カルシウムは日本人にもっとも不足している栄養素です。成人のカルシウム所要量は1日 600mgとされていますが、骨密度が増加する成長期には700〜900mg、骨密度が減少していく更年期以降には800mg以上をとるようにします。牛乳や乳製品は吸収率のよいカルシウムを豊富に含むので、毎日コップ1杯の牛乳を飲むことは、骨粗鬆症予防に効果的です。

【ビタミンD】
カルシウムの吸収をよくするために、ビタミンDをとることも大切です。ビタミンDはさけ、うなぎ、さんま、さばなどの魚類に多く含まれています。

【ビタミンK】
ビタミンKには骨形成を盛んにする働きがあります。ビタミンKは納豆に非常に多く、ほうれんそう、小松菜、ブロッコリーなどの野菜類にも含まれています。

2.リンとナトリウムをとりすぎない

肥満の人が減量することによって血管の圧力が下がり、血圧が下がることが多く見られます。減量すると膵臓から分泌されるインスリンが増え、それによって血糖値が下がり、血管が傷みにくくなって血圧が下がることも知られています。いずれにせよ、肥満は高血圧の大敵です。

【リ ン】
リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げます。リンは加工食品、インスタント食品、清涼飲料に多く含まれています。

【ナトリウム】
塩分の過剰摂取もカルシウムの吸収を妨げます。

3.骨に刺激のある運動を

骨を丈夫にするのに効果的な運動は、なわとびやジョギングなど、骨に衝撃のかかる運動です。成長期にはこういった運動をして、最大骨量を上げておくことが大切です。ただし、中高年ではこれらの運動はひざを痛めやすいので無理は禁物です。歩く時間を増やす、重い荷物を持って歩く、エスカレーターを使わず階段を昇るなど、日常生活で骨に負荷をかけるように心がけましょう。

4.日光浴をしよう

高齢者は家に閉じこもりがちですが、1日30分程度は屋外で活動するようにしましょう。日光に当たることで体内でビタミンDが合成され、カルシウムの吸収がよくなります。

5.家で転ばない工夫を

高齢者で骨量の低い方では、家の中で転倒しない工夫も大切です。敷居の段差をなくす、階段・風呂場に手すりをつける、コード類が足に引っかからないようにするなどの対策をとり、家の中で転んだり骨折しないような環境を整えましょう。