健康チェック

健康診断結果の見方

肝機能

監修:財団法人 東洋医学国際研究財団副会長
(管理栄養士)山本 辰芳先生

肝臓病の原因は

肝臓病というと、アルコールの飲み過ぎが原因というイメージがありますが、それだけではありません。肝臓病の原因としてはおもに、アルコール、ウイルス、過食の3つがあります。わが国の肝臓病の多くはウイルス感染によるものです。

肝機能検査値の見方

肝機能検査では、GOT(AST)GPT(ALT)γ-GTPの値を見ます。GOT、GPTは肝臓の細胞の中にある酵素です。これらの酵素が血液中に多くあるときは、肝細胞がなんらかの原因により破壊されていることになります。アルコールによる肝障害では、まずγ-GTPが上昇します。正常値上限の2倍を超えることもありますが、γ-GTPだけが高いときには肝障害の程度は比較的軽く、アルコール性脂肪肝であることが多いようです。禁酒することで、すみやかに低下するのが特徴です。アルコールを飲み続けて肝障害がさらに進行すると、GOTが上昇します。そのときにはアルコール性肝炎、アルコール性肝硬変が起きていることが考えられます。過栄養性脂肪肝では、GOT、 GPTがやや上昇します。GPTがGOTより高くなる傾向にあります。ウイルス性肝炎では、肝炎の活動期にはGOT、GPTが上昇しますが、休止期には正常値になります。肝炎が疑われるときは、肝炎ウイルスの抗体などの検査によってウイルス感染の有無を調べます。

肝臓は沈黙の臓器

肝臓は障害が起きても自覚症状が出にくいのが特徴で、症状が出たときには、すでにかなり悪くなっていることが多いのです。そのため、健康診断は肝臓の異常を早期に発見する唯一のチャンスです。