健康チェック

健康診断結果の見方

血糖値

監修:二葉栄養専門学校主任教授
前国立国際医療センター栄養管理室長 高橋 興亜先生

血糖とは

「血糖」とは血液中のブドウ糖のことで、食事でとった糖質が胃で分解され、さらにでんぷん分解酵素によりブドウ糖まで分解されていきます。このブドウ糖が血液に入ったあと、細胞内で充分にエネルギーとして使われていれば、食事によって上がった血糖値は時間がたつにつれて下がっていくことになります。ところが、エネルギーとして充分に使われないと、食事をしたあとだけでなく、空腹時でも高血糖状態が続くことになります。血糖値が高いと、糖尿病が疑われます。

血糖値の見方

糖尿病の血糖値による判断基準は、日本糖尿病学会によって定められています。それによると、以下の血糖値のいずれかに当てはまる場合に、糖尿病型と判定されます。

  1. 血糖値が常に200mg/dl以上
  2. 早朝の空腹時血糖値が126mg/dl以上
  3. 糖負荷試験で2時間後の血糖値が200mg/dl以上

正常域と糖尿病の間がいわゆる境界域で、以下の場合をいいます。

  1. 空腹時血糖値が110〜126mg/dl未満
  2. 食事2時間値が140〜200mg/dl未満

自分では気づきにくい糖尿病

わが国の糖尿病患者は年々増え続けています。糖尿病実態調査(厚生労働省 平成9年)によると、「糖尿病が強く疑われる人」は690万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」とあわせると1,370万人になると推計されています。これらの人のうち、治療を受けている人は約210万人で、推定患者の33%にしかありません。糖尿病は進行すると、失明や腎臓障害、動脈硬化など全身の疾病を招く恐ろしい病気です。血液検査の結果に不安がある場合はできるだけ早く医療機関を訪れ、医師に相談することが大切です。