健康サポート

元気の出るおいしい食材

タマネギ

 原産地は中央アジア。地中海沿岸ともいわれます。古代にエジプトに伝わり、ピラミッドを造る際は労働者に、たまねぎとにんにくを食べさせたという記録が残っています。このころからたまねぎは栽培されていたようです。また、たまねぎは給料の支払いにも使われていたという説があること、紀元前33〜28世紀(第一王朝時代)の墓の壁画には、たまねぎの絵が描かれていることなどから、たまねぎは貴重な野菜だったようです。
  その後、ギリシャでは紀元前10世紀、ローマでは紀元前5世紀に栽培されはじめました。やがて16世紀になって、ヨーロッパ一帯に広まっていったのです。
  ところでたまねぎと言えば、独特の辛みと香りが特徴。これは硫化アリルという硫黄を含む成分によるものです。たまねぎを切ると空気にふれて、この硫化アリルの仲間の催涙性物質が発生して涙が出ます。調理のときにはやっかいな刺激成分ですが、硫化アリルは消化液の分泌を高めたり、新陳代謝を盛んにします。ビタミンB1の吸収をよくする働きもあり、疲労、食欲不振、不眠、精神不安定、精力減退にも効果があります。さらに、血液の凝固を遅らせる働きによって、糖尿病,高血圧、動脈硬化の予防にも効果的。カリウムを含有しているため、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し、高血圧の予防や改善にも効果があります。主食がお米で、ビタミンB1が不足しがちが日本人には欠かせない野菜といえます。
 なお、私たちが食べているのは、たまねぎの葉の部分。葉の下の「葉鞘」と呼ばれる部分が成長とともに厚みを増し、重なり合って球体に太ります。この部分は、1枚ずつはがすと魚のうろこ(鱗)のよう。そこから「鱗茎」と呼ばれています。これが徐々にふくらんでたまねぎらしくなっていくのです。
 英語名「オニオン」は、ラテン語の「ユニオン」から転じたもの。多くのうろこ状の葉の集合体ということかもしれません。

タマネギについて

食べ方 焼いたり、炒めたり、生のまま。
調理法 生のままか短時間の過熱で、たまねぎの刺激成分の損失を減らせる。
主な成分 硫化アリル、糖質、食物繊維、亜鉛、カリウムなど
主な作用 健胃、新陳代謝、疲労回復、血栓、動脈硬化、高血圧など
バックナンバー一覧へ