血液中の中性脂肪は食事の影響を受けやすいので、食事を改善することが大切です。
アルコールや脂肪を控え、魚、野菜たっぷりの食生活に切り替えましょう。
(管理栄養士)野口 節子先生
1.適正なエネルギーをとる
肥満がある場合は減量が必要です。現在肥満でない場合でも、肥満にならない食生活を身につけましょう。そのためには自分の適正エネルギーを知り、食べ過ぎないことが大切です。
2.アルコールは控える
アルコールは肝臓での中性脂肪合成を促進し、血液中の中性脂肪を増加させます。またアルコール飲料はそれ自体が高エネルギーであるだけでなく、おつまみには高エネルギーのものが多く、摂取エネルギーがオーバーしがちです。中性脂肪が若干高い程度であっても、飲酒の回数を減らすか、1回に飲む量を減らしましょう。
3.甘い菓子や果物、飲料は控えめに
果物に含まれる果糖や砂糖は中性脂肪に変わりやすいので、とりすぎに注意します。とくに夕食後、デザートとして菓子や果物をとっている人は控えるようにします。また、甘い清涼飲料の飲み過ぎにも注意が必要です。
4.脂質をとりすぎない
油は大さじ1杯(12g)で約100kcalと高エネルギーです。揚げ物に含まれている油の量 は、とんかつ(1人前)12g、フライドポテト(Mサイズ)20g、てんぷら(1人前)15g と多く、高カロリーなので、食べる回数を少なくします。またバターやドレッシング、マヨネーズなども控えましょう。肉類に含まれる脂の量は種類や部位によって異なりますが、できるだけ脂の多い肉は控えるようにしたいものです。
5.魚食を増やす
青魚の脂肪に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)という脂肪酸は、肝臓での脂肪合成を抑え、血中の中性脂肪を下げる働きをします。また血栓を防止し、動脈硬化の予防にも役立ちますので、魚食を増やすように心がけます。
【EPA、DHAを多く含む魚(100g中)】
■EPAを多く含む魚(100g中) | ■DHAを多く含む魚(100g中) | ||
---|---|---|---|
はまち | 1.5g | ほんまぐろ | 3.0g |
いわし | 1.4g | ぶ り | 1.8g |
さ ば | 1.2g | さ ば | 1.8g |
にしん | 1.0g | はまち | 1.8g |
ぶ り | 0.9g | まだい | 1.7g |
うなぎ(蒲焼) | 0.9g | うなぎ(蒲焼) | 1.5g |
さんま | 0.8g | きんき | 1.5g |
ほんまぐろ | 0.2g | さんま | 1.4g |
まいわし | 1.1g | ||
あ じ | 1.0g |
6.食物繊維を十分とる
海藻類、キノコ、豆類、野菜などに多く含まれる食物繊維は、腸内で中性脂肪や糖質を吸着していっしょに排泄させる働きがあります。また水分を吸ってふくらむため満腹感が得られ、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。
7.夕食は控えめに
脂肪は寝ているうちに作られるため、夕食を多く食べると、1日のトータル摂取エネルギーが適正でも中性脂肪が高くなりやすくなります。夕食は軽めにしましょう。