ピーマン
「ピーマン」という名前はフランス語(piment)に由来。英語では「ベルペッパー」、なかでも緑色のものは「グリーンペッパー」と呼ばれています。その名のとおり、ピーマンはペッパー(とうがらし)の仲間。しかし、辛くはないため、とうがらしの辛み成分であるカプサイシンはほとんど含まれていません。
ピーマンが日本に伝わったのは、熱帯アメリカ原産のとうがらしがヨーロッパを経て日本へ渡来した江戸時代のあと。さまざまなとうがらしが欧米から導入されるようになった明治時代です。しかし、当時のピーマンは大型で肉厚の品種。独特の香りが強いため、それほど普及しませんでした。一般家庭の食卓に登場するようになったのは戦後のこと。消費量が急速に伸びたのは、昭和30年代後半からです。
そもそもピーマンはカロテンやビタミンCが豊富。ピーマン100グラム中のビタミンC含有量は約80ミリグラム。レモンの2倍に当たるビタミンCが詰まっています。中ぐらいの大きさのピーマン4個で1日の所要量をとることができます。
現在、その栄養分はそのままに。品種開発され、クセが少なく、肉の薄い、緑色の中型ピーマンが誕生し、出回るようになりました。さらに、緑色のピーマンは未熟なうちに収穫したものですが、完熟させると、赤、オレンジ、黄色になるものもあります。グルメ志向によって、よりクセがなく、柔らかく、甘い味のカラフルな完熟品が出回るようになり、サラダや料理の色どりなどにも使用範囲が広がっています。多くの日本人に食べられる野菜になっているといえるでしょう。

ピーマンについて
食べ方 | 焼いたり、炒めたり、生のまま |
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調理法 | 加熱によるビタミンCの損失は少なく、ビタミンAは油で調理するほうが吸収がよい。また、ビタミンCの酸化を防ぐビタミンPの含有量は加熱しても減らない。 |
主な成分 | ビタミンA・B1・B2・C・D・P、鉄、カルシウム、カロチン、食物繊維など |
主な作用 | 成人病予防、高血圧、動脈硬化、疲労回復、肌荒れ、しみ、そばかすなど |