監修:厚栄会会長・元女子栄養大学客員教授
(管理栄養士)増田 さく先生
(管理栄養士)増田 さく先生
最高血圧・最低血圧とは
心臓は収縮することで血液を送り出します。このときにかかる最も高い圧力が最高血圧(収縮期血圧)です。また、心臓は拡張して肺から送られてきた血液をため込みますが、そのときの最も低い圧力が最低血圧(拡張期血圧)です。
血圧の値の見方
血圧の適性範囲については、1999年にWHO(世界保健機関)が、これまでよりも低い値を正常値と定めました。それにより、現在では、正常域の最高血圧は130mmHg未満、最低血圧は85mmHg未満となっています。最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上になると、高血圧と判定されます。
高齢者の治療目標値について
我が国でもこのWHOの基準に準拠していますが、血圧は加齢とともに上昇していく傾向があることから、日本高血圧学会では、高齢者について高血圧治療の国内独自の基準を設けています。それによると、降圧目標値は次の通りです。
【最大血圧】
60歳代 | 140mmHg以下 |
70歳代 | 150〜160mmHg |
80歳代 | 160〜170mmHg |
【最小血圧】
60歳代 | いずれも90mmHg未満 |
70歳代 | |
80歳代 |
高血圧は万病のもと
高血圧になると血管が硬くなり、血管の内径が狭くなっていく動脈硬化になりやすく、心臓疾患や脳血管障害の危険因子となります。そのため、高血圧は“サイレントキラー(静かな殺人者)”ともいわれているのです。