監修:健康科学情報センター所長
小林 晃大先生
小林 晃大先生
高齢醸成に多い骨粗鬆症
骨密度は、思春期にいちじるしく増加し、20歳ごろに最大となります。そして40歳を超えると骨密度は急激に低下し、ひどい場合には「ス」が入ったように骨がスカスカになってしまいます。これが骨粗鬆症です。更年期以降の女性では、女性ホルモンの減少の関係で骨密度が低下しやすく、60歳ごろから骨粗鬆症が急増します。80歳以上の女性では約7割が骨粗鬆症だといわれています。
通常の骨密度検査では
骨粗鬆症の診断は、若年成人の平均骨密度をもとに行われます。骨密度測定の結果、やや低い程度(若年成人の平均値の80〜90%)の場合は、「要指導」で食生活や運動などの生活改善の指導を受けます。骨密度があるレベル以下(若年成人の平均値の80%以下)の場合は「要検査」で、精密検査を受ける必要があります。
精密検査では
精密検査では、背骨のエックス線撮影、DXA法による腰椎の骨密度測定、血液検査、尿検査を行います。血液検査や尿検査により他の疾患でないことを確認した上で、骨粗鬆症かどうかを診断します。また、背骨のエックス線写真で脊椎の圧迫骨折があれば、骨粗鬆症と診断されます。
【骨粗鬆症の診断基準(日本骨代謝学会1995年)】
20〜44歳の成人平均値(最大骨密度)を100%とし、それに対する割合を基準として診断される
正 常 | 80%以上 |
骨量減少 | 70〜80% |
骨粗鬆症 | 70%以下 |